POD
ちょっと前の話ですが、博論を書籍化するにあたって、某出版社に問い合わせてみたところ、コストとして50万円~くらいはかかるという話がありました。うーんという感じでそのままになっておりました。
最近になって、出版社を通さないで格安に出来るという事を聞き、やってみるかと思い直す。いわゆるPOD出版というやつ。出版社を通さなければ、オンデマンドだけでなく、小部数だけ印刷して、自分の店で売ってもいい訳ですし😁その場合、印刷代だけなんで、費用としては格安になりますし。
先日、博士号取得支援事業の博士号取得者の交流会に出席して、本を出すというのは社会貢献の一部だと言われ、出してみようかと思うようになりました。
ネットで公開されてはいますが、やっぱり本として形にしたいですよね。曲がりなりにも本屋をやってるので😁
https://bukkyo.alma.exlibrisgroup.com/discovery/delivery/81BU_INST:Services/12590334650006201
アフガニスタン仏教写本、流出のきっかけとなったカタログ
先日、たまたまこちらを見つけて入手いたしました。ロンドンの古書店Sam Foggのカタログ「ヒマラヤとインド亜大陸の写本類」。
これは、松田先生が説明されている通り、アフガニスタンの仏教写本が世に出てくるきっかとなったカタログです。

解説の中で、このコレクションは、単一の部派教団(大衆部?)のテキストで構成されているように見え、重複することなく、多様な文字や断簡が含まれているとあります。この中に(この時点で)現存最古の大乗経典の一部が含まれていたことなど、大乗経典の成立に関して、重要な示唆があったことは周知の通りかと思います。
Thesaurus Literaturae Buddhicae
サンスクリタ
だいぶ間が空いてしまいました。幸いなことに、仕事が忙しくて、研究の方は進んでません…。
ブログをサボってる間に、幾つか本を買いました。
赤松先生のは、読みながら学べる入門書ということで、なかなかの読み応えです。
確かに、新書という形での入門書はサンスクリット (文庫クセジュ 901)がありますが、文法事項を入れたものとしては、本書が初めてではないでしょうか。通勤電車の中で読むには大変ですが…(笑)。
川村先生のは、他に類書のないパーニニ文法の入門書。したがって、これは買っておかねばなりません。パーニニの本は普段から店で取り扱ってる関係上、馴染みがありますので、いつか読んでみたいと思ってましたが、なかなか手にすることは出来ずにいました。



博論の審査結果
博論の審査結果が公開されておりました。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/HB/A131/HBA1313L001.pdf
citta-dṛśya は『ヨーガ・スートラ』のみならず、ヴェーダーンタ学派のガウダパーダ作『マーンドゥーキヤ・カーリカー』に4例知られ、仏教と仏教外の諸学派の交渉を知る上で重要な述語である。他学派の思想を取込み、自学派の伝統的思想を補完する傾向は、紀元4世紀以降顕著になるが、この時代は、まさしく『入楞伽経』「偈頌品」から現在の『入楞伽経』成立までの期間に対応する。
審査いただいた細田先生に自分の博論を補完していただいたような気がする部分です。
審査いただいた先生方には感謝申し上げます。
博士号取得支援 授与式
ちょっと前に出席した生涯学習開発財団様の博士号支援事業の授与式の様子がホームページで公開されてます。
私のインタビューも少しですが、載ってますので、よろしければご覧ください。
博士号取得者インタビューも、今後掲載される予定です。
4月の読書記録
4月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1051
ナイス数:4
古代の朱 (ちくま学芸文庫 マ 24-1)の感想
古代の日本がこれほどの朱砂の産地であったことを本書によってはじめて知った。そして、それが黄金の精錬に用いられ、不老不死の妙薬でもあり、ミイラにも用いられていたことも。その産出を掌る女神とそれを祭る神社が全国に分布していることが、著者の長年の調査によって明らかになったことにも驚いた。民俗伝承の裏に隠された史実を、物質面から科学的に論証しているように思え、非常に興味深く読んだ。
読了日:04月28日 著者:松田 壽男
日本哲学入門 (講談社現代新書)の感想
西田哲学をご専門とする藤田先生の本。本書では、経験、言葉、身体、社会・国家・歴史、自己と他者、自然、美、生と死などのテーマについて、西田以後の日本の哲学者がどのように考えたかを俯瞰する内容になっている。平易に読める文体で、日本哲学の豊かな営みを理解できる好著だと思う。
読了日:04月27日 著者:藤田 正勝
真言密教と古代金属文化の感想
紀伊半島を東西に横切り、四国を東西に横断して九州に至る地質学上の中央構造線上には多くの銅山が集中している。これは空海が山岳修行僧として踏破したところでもある。空海は冶金・鉱山知識を持って、(その確認のために!?)そこに寺院を足跡として残したのではないか?宗教と当時の先端科学が結びつき、彼が錬金術を行っていたことを示唆するもので、宗教というのはむしろその隠れ蓑であったのではないか?金属史観について話し合う後半の座談も、いろいろと興味深い視点が多く実に面白い。
読了日:04月26日 著者:佐藤 任
大月氏: 中央アジアに謎の民族を尋ねて (東方選書 38)の感想
クシャーナ(クシャン)朝と大乗仏教、そしてガンダーラ美術との関係などの点から、非常に興味深く読んだ。文献資料と考古学的な研究成果から、著者は大月氏をスキタイ(サカ)人として、クシャン人とともに同一の遊牧民と推定している。彼らはギリシア文字のバクトリア語を用いて、仏教を信奉していたことになる。クシャーナ朝は大乗仏教の源流の一つといわれることを考えると、中国、日本へ伝わった仏教がヘレニズム文化によって変容されたものであることが分かり、非常に興味深いと思った。
読了日:04月01日 著者:小谷 仲男
読書メーター
大月氏について、特に考古学からの研究成果については疎いので、勉強になりました。遊牧民の仏教への帰依というのは仏教史上重要なポイントですが、文献資料がない分、注目するところです。
下記の図録も入手しました。




