在野研究という言葉で思い出すのは、個人的にはこちらの本です。
著者の方々は皆、在野の研究者の方々ですが、在野の側からきわめて独自で、興味深い視点を生みだしているところが印象に残ってます。特に鉱山技師として長年鉱山を渡り歩いた方が、空海の密教山相ラインと鉱山学・地質学上の日本中央構造ラインが一致するのに着目し、空海が鉱山師であったのではないかとの考察を進めていくところは、まるでミステリーを読んでいるようなスリルを味わうことができます。
既成概念にとらわれない自由な発想、まさに在野研究の醍醐味という感じでしょうか。
同時に、それが水銀の産地とかぶってくるというのも、道教との習合とも合わせると実に興味深いところです。